シングルタスクで集中力が戻る|女性のためのタイパ疲れ解消法

シングルタスクで集中力が戻る|女性のためのタイパ疲れ解消法

ブログ管理人のハッチです。
体力や集中力の変化を感じるなかで、「どうすればもっと心地よく毎日を過ごせるのだろう」と考えるようになったのです。

そんなときに出会ったのが「シングルタスク」という考え方でした。
これまで当たり前のようにやってきた「マルチタスク」つまり同時並行で家事や仕事をこなすやり方が、じつは自分を余計に疲れさせていたのではないか、と気づかされたのです。

この記事では、

  • シングルタスクとマルチタスクの違い
  • マルチタスクが抱える「スイッチングコスト」問題
  • なぜ女性はシングルタスクに向いているのか
  • シングルタスクを日常に取り入れる工夫

について、私自身の体験や調べた知識を交えながら、ゆっくりと掘り下げていきたいと思います。

シングルタスクとはなにか

シングルタスクとは、その名の通り「ひとつの作業に集中すること」です。

たとえば、洗濯をするなら洗濯だけに意識を向ける。掃除をするときは掃除だけ。料理をするなら、スマホを片手にするのではなく、香りや音に耳を澄ませて「今していること」に没頭する。これがシングルタスクの姿です。

「そんなの当たり前では?」と思うかもしれません。けれど実際には、私たちは驚くほど多くの「ながら作業」をしています。洗濯物を畳みながらLINEの返信をしたり、料理をしながらテレビに夢中になったり。でも、それは本当に効率がいいのでしょうか?

シングルタスクの大きなメリットは、集中力を一点に集めることで「作業がスムーズに終わる」ことです。やることが山積みだと心が落ち着かなくなりますが、シングルタスクは「ひとつ終えたら次」というシンプルな順序を守れるので、頭の中がすっきりクリアになるのです。

マルチタスクとはなにか

一方でマルチタスクとは「同時進行すること」。
家事なら、洗濯機を回しながら掃除機をかけ、料理を仕込みつつメールを返信する、といった具合です。

知らず知らずのうちに職場でも行っています。
会議中に資料を読みながらスマホの通知を確認し、同時に頭の中では別のタスクを思い出して焦る。表面的には「要領よくこなしている」ように見えますが、実際にはあれこれ気を取られ、ひとつのことに集中できていない。

マルチタスクの怖いところは、「やっている感」があることです。あれもこれも同時に触れているから、まるで仕事が進んでいるような気になる。でも終わってみると「あれ、たいして片づいてないな」と思うことが多い。むしろ疲労感だけが強く残るのではないでしょうか。

マルチタスクに潜む「スイッチングコスト」

ここで重要なキーワードが出てきます。それが「スイッチングコスト」です。

スイッチングコストとは、ある作業から別の作業へ切り替えるときに発生する心理的・認知的な負担のこと。
たとえば、料理をしている最中にスマホに通知が来て返信したとしましょう。一見すぐに料理に戻れる気がしますが、実際にはこうなっています。

  1. 包丁を置く
  2. スマホを取り上げる
  3. 頭を「料理モード」から「文章モード」へ切り替える
  4. メッセージを考え、入力する
  5. 再びスマホを置く
  6. 「さて、さっきは何を切っていたっけ?」と一瞬考える
  7. 料理モードに戻る

この数十秒の間に脳は切り替え作業をしており、そのたびに集中力が分断されます。
研究によると、タスクの切り替えには数秒から数十秒のロスが生じ、それが一日何十回も積み重なると「数十分から数時間」にもなると言われています。

つまりマルチタスクとは、効率よく見えて実は「目に見えない浪費」を生んでいるのです。

年齢とスイッチングコストの関係

若い頃は、この切り替えがもっと早かったように思います。
けれど50代を迎えると、集中力や記憶力の変化を実感しやすくなります。ホルモンバランスの影響で「ぼんやりする」「気が散りやすい」と感じることも増える。そんな状態でマルチタスクをすると、「切り替え疲れ」がいっそう大きくのしかかってきます。

実際、私自身もそうです。若い頃は料理をしながらテレビを見ても平気でした。
でも今は、テレビをつけっぱなしにすると調味料を入れ忘れたり、手順を飛ばしてしまったりする。一度気を取られると、元に戻るまでに時間がかかるのです。

年齢を重ねた女性ほどシングルタスクが合うのは、この「スイッチングコストの増大」と無関係ではないと感じています。

私の場合、もともとせっかちな性格もあって、つい「タイパ重視」で動いていました。効率よくこなしているつもりでも、実際にはどれも中途半端。あれこれ同時に片づけようとして、切り替えで消耗し、どれも満足いかない仕上がりになってしまうのです。

だからこそ、集中力が落ちてきた今は、シングルタスクで一つ一つを丁寧に終えることの大切さを実感しています。

女性はなぜシングルタスク向きなのか

「女性はマルチタスクが得意」とよく言われます。
たしかに家事や子育て、仕事を同時並行でこなす力は、多くの女性に身についているものです。
でも裏を返せば、それだけ「常に切り替えを強いられてきた」ということでもあります。

  • 子どもの声に反応しながら料理
  • 上司の指示を聞きながらメモをとり、さらに頭の中で別件を思い出す
  • 家事と介護を両立しながら、自分のことは後回し

これらはすべてマルチタスクであり、同時に「スイッチングコスト」を生み続けています。
更年期世代になると、心身が「これ以上の切り替えはつらい」とサインを出しているのかもしれません。だからこそ、女性はむしろ「シングルタスク」によって本来の力を取り戻せるのではないか――私はそう感じています。

シングルタスクを実践するコツ

では実際に、どうすればシングルタスクを暮らしに取り入れられるのでしょうか。いくつか私が試して効果を感じた方法をご紹介します。

  1. 優先順位を決める
    朝のうちに「今日は何をするか」を3つ程度書き出す。その順番通りにこなす。
  2. 時間を区切る
    25分作業+5分休憩の「ポモドーロ・テクニック」を試すと集中が続きやすい。
  3. 通知を切る
    作業中はスマホをサイレントに。通知は最大のスイッチングコスト要因。
  4. ながらをやめる
    テレビを見ながらの食事はやめ、味わうことに集中する。家事も同様。
  5. 完了感を味わう
    「一つ終えた!」という小さな達成感が、次の集中力を生む。

マルチタスクが必要な場面もある

現実的には、マルチタスクを完全に避けるのは難しいものです。
子育て中のママや、介護をしている方に「シングルタスクで」と言っても、なかなか現実的ではありません。

大切なのは、「無意識のマルチタスク」を減らすこと。
たとえば料理中はスマホの通知を見ないようにするだけでも、スイッチングコストはぐっと下がります。
また、家事と仕事の境目をはっきり分けることや、便利な家電やアプリに助けてもらうのも効果的な方法です。

まとめ:シングルタスクは自分をラクにする

シングルタスクは、ただの作業効率の話ではありません。
心を落ち着け、自分をラクにするための方法です。

私たちは「同時にたくさんこなすこと」が評価される社会で生きてきました。でも、年齢を重ねた今こそ「ひとつずつ」に立ち返ることが、自分らしさを取り戻すきっかけになるのではないでしょうか。

シングルタスクは「もう頑張りすぎなくていい」というメッセージでもあります。
スイッチングコストに振り回されず、シンプルに、心地よく。そんな日々を一緒に見つけていきませんか。

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