50代に入った頃からでしょうか。
朝起きた瞬間に「なんだか疲れてる…」と思う日が増えてきました。
寝不足というわけでもないのに体は重く、気持ちもどこか晴れない。週末にゆっくり休んでもスッキリしないまま月曜日が来てしまう——そんな繰り返しです。
最初は「年齢のせいなのかな」と思っていたのですが、どうもそれだけではしっくりこない。
体だけじゃなく、気持ちや頭の中までじんわり疲れているような、あの独特のだるさが続いていたからです。
思い返してみると、スマホやパソコンを使う時間が昔よりずっと長くなりました。
ニュースもSNSも、仕事も人間関係も、とにかく“情報が多すぎる”時代。どうやらこの刺激の多さが、脳を過緊張にしやすいのだそうです。
その状態が続いてしまうと、脳は働きっぱなしで休む暇がない——いわば“脳のブラック企業”。
そんな説明を聞いたとき、「休んでも取れない疲れ」の正体がようやく見えてきた気がしました。
あれは、じわじわと進む“脳疲労”だったのかもしれません。 ここでは、50代女性の視点から、脳疲労の背景と、実際に取り入れやすいセルフケアについてまとめてみました。
”脳疲労”の原因や背景を整理する
更年期で“脳の切り替え”がしづらくなる
更年期はホルモンの影響で、気分や集中力が乱れやすくなることがあります。
ただ、それを「気合い」や「年だから」で片付けるのは少し違うようで——
脳には、
- デフォルトモードネットワーク(ぼんやり回路)
- セントラルエグゼクティブネットワーク(集中回路)
- サリエンスネットワーク(切り替え役)
という役割があるのですが、年齢やストレスでこの切り替えがうまく働きにくくなるのだとか。
つまり、
ずっと集中するのもダメ、ずっとぼんやりするのもダメ。
“切り替え”そのものが疲れてしまうのです。
スマホ・PCにより刺激過多になっている
昔より明らかに、目と脳に入る情報量が増えています。
- スマホの通知
- SNSの投稿
- ニュース
- 調べ物
- メール
刺激はすべて脳に送られるため、知らず知らずのうちに”脳のメモ帳(ワーキングメモリ)”が飽和状態になります。
私もよく、
「やることが3つ以上あると急に混乱する」
という状態になるのですが、どうやらワーキングメモリの容量は3~4枚が限界と言われているようです。
ストレスによる「脳の余白不足」
仕事、人間関係、家族の心配、更年期の不調…。
50代は悩みが積み重なりやすい時期でもあります。
厚生労働省の資料でも、
- 判断しづらい
- 以前より仕事に時間がかかる
- 家に帰ると何もできない
という状態は脳疲労のサインとされています。
集中できないのは意志の弱さでも怠けでもなく、「脳のスペース」が埋まってしまっているだけ。
そう分かると、少し気がラクになります。
睡眠で脳の疲れが回復しきれていない
脳の疲労には「アデノシン」という物質が関わっていて、これが溜まると眠気が出ます。
本来は睡眠で回復するのですが、
- 夜スマホ
- 不安が頭から離れない
- 寝ても浅い
- 睡眠時間が少ない
と、アデノシンの回復が追いつかずに翌日に持ち越されます。
「寝たはずなのに疲れが残る」という感覚の裏側には、こうした仕組みがあるようです。
実用的な工夫
ここからは、実際に試しやすく、負担になりにくいものだけをまとめています。
「今日からできる」レベルの内容だけに絞りました。
“脳のポモドーロ”でメリハリを作る
25分作業 → 5分休む
これを繰り返す時間管理術です。
この「5分」が実は脳にとってかなり重要で、ぼんやり時間=デフォルトモードネットワークが働きやすくなります。
私は5分の間に
- 目を閉じる
- 深呼吸
- 伸びをする
- 温かい飲み物を口にする
これだけでだいぶ頭が楽になります。
“脳の情報断食”をつくる
情報過多を避けるために、以下の工夫が役に立ちました。
- スマホの通知を「必要最低限」に整理
- 1時間に1回、画面を閉じる
- SNSを見る時間を一日15〜20分に限定
無理にゼロにはしない。
「減らす」ことで頭の負担はかなり軽くなります。
メモに“脳の仕事”を肩代わりさせる
ワーキングメモリは3〜4枚が限界。
ということは、
「覚えておくこと」を減らすほど集中しやすくなるということでもあります。
- 今日やることを3つだけ書き出す
- 気が散ることはすぐメモ
- 夜にちょっと“翌日の流れ”を書いておく
これだけで翌日の混乱がかなり減ります。
“脳のための睡眠”を整える
睡眠を完璧にする必要はなく、ほんの少し意識するだけで脳の回復力は変わります。
- 寝る1時間前はスマホをオフ
- 部屋の照明を落とす
- お風呂は寝る90分前が理想
- 寝落ちしそうなタイミングで布団に入る
私は「寝る前に考え事をしない」ために、呼吸に意識を向ける簡単な瞑想を取り入れています。
3分でOKのゆるいもので十分です。
食事は“脳に優しいものを少し意識する”
これは負担なく続けやすいです。
脳の働きを助けると言われる食品は、
- 青魚(DHA・EPA)
- 豚肉・レバー・ナッツ(ビタミンB群)
- バナナ・アーモンド(マグネシウム)
「毎日食べる」ではなく、週2〜3回、どれかを取り入れるだけでOK。
個人的にはサバ缶が手軽で便利でした。
リラックスの“型”をひとつ持つ
脳のぼんやり回路(DMN)を働かせるために、「これをするとほどける」という行動を持つと楽です。
- ゆっくり歩く散歩
- 湯船につかる
- 好きな香りを嗅ぐ
- 景色を眺める
- 軽いストレッチ
どれでもよいので、自分が落ち着くものをひとつ。
私は、お風呂で湯気を見るのが一番ラクでした。
不思議と「思考が休まる」時間になります。
まとめ
50代になると、思った以上に脳の疲れが溜まりやすくなります。
集中できなかったり、ぼんやりしたり、やる気が出なかったりするのは、性格の問題ではなく、
刺激が多すぎる現代で、脳が休む暇を失っているだけ。
脳には脳のペースがあり、無理に動かそうとすれば、さらにパフォーマンスは下がります。
だからこそ、
- 情報を減らす
- メモで脳の負担を減らす
- 少し休む
- 睡眠を整える
- リラックスの型を持つ
こうした小さな工夫が、脳の余白を少しずつ取り戻す助けになります。
「今日は頭が働かないな」と感じる日は、無理に頑張るより、半歩スピードを落とすほうが結果的に楽になります。
ゆっくり、少しずつ。
脳にも、休む時間を。