40代後半に入ってから、急にお腹の調子が安定しなくなりました。
若いころはどちらかというと便秘体質で、数日出ないのも当たり前。
それがいつの間にか、下痢しやすく、朝から腹痛に悩まされる日が増えたのです。
父が大腸がんを経験していることもあり、ちょっとした変化でも気になりやすく、「もしかして何か悪い病気なのでは…」と考えてしまうこともありました。
年に一度の健診では特に問題はなく、数値も正常。
それでも、続く下痢や胃腸の違和感は、心のどこかに引っかかります。
そんなとき、かかりつけ医に相談したところ、「もしかしたら更年期の影響かもしれませんね」と言われ、少しだけ肩の力が抜けました。
更年期に便秘・下痢・胃腸不調が起こりやすくなる背景
女性ホルモンと自律神経の関係
腸の働きは、自律神経によってコントロールされています。
そしてその自律神経に大きく影響するのが、女性ホルモンです。
更年期に入ると、エストロゲンの分泌量が大きく変動・減少します。
エストロゲンが減ると、自律神経が乱れやすくなり、交感神経が優位になることで腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなります。
一方で、もうひとつの女性ホルモンであるプロゲステロンは、腸の動きを抑える働きがあります。
その分泌バランスが崩れることで、腸が過剰に動き、下痢を起こしやすくなることも。
更年期以前は、生理周期に合わせて「生理前は便秘、後は下痢」とリズムがあった方も多いと思いますが、更年期ではそのリズム自体が不安定になり、便秘と下痢を日常的に繰り返す状態になりがちです。
ストレスと腸の密接な関係
更年期世代は、仕事・家族・将来への不安など、目に見えないストレスを抱えやすい時期でもあります。
ストレスを感じると交感神経が優位になり、腸の働きは抑制されます。
すると便秘になりやすくなる一方で、腸内での水分調整がうまくいかず、下痢につながることも。
「便秘や下痢 → 不安 → さらにストレス」という悪循環に陥りやすいのが、この年代のつらいところです。
冷えが胃腸に与える影響
更年期は、冷えとの付き合い方も難しくなります。
冷えのぼせやホットフラッシュがあると、つい薄着になったり、冷たい飲み物を選びがちですが、下腹部の冷えは腸の動きを鈍らせる原因になります。
血流が悪くなることで消化機能が低下し、便秘や下痢の両方を引き起こすこともあります。
腸内環境とメンタルの関係
腸内には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの約9割が存在しています。
腸内環境が乱れると、セロトニンの材料となる物質の生成が減り、気分の落ち込みや不安感を感じやすくなることも。
胃腸の不調は、身体だけでなく心にも影響を与える。
このことを知ってから、「お腹の不調=気のせい」ではないのだと思えるようになりました。
私なりに意識している実用的な工夫
生活リズムを大きく崩さない
完璧を目指さず、
- 起きる時間
- 食事の時間
- 寝る時間
を「大きくズラさない」ことを意識しています。
休日の夜更かしを控えるだけでも、胃腸の調子が安定しやすくなりました。
胃腸にやさしい食事と温かい水分
調子が悪いときほど、脂っこいもの・刺激物・アルコールは控えめに。
野菜、きのこ、海藻、発酵食品を無理のない範囲で取り入れ、スープやおかゆなど、消化にやさしいものを選ぶようにしています。
水分補給も冷たいものばかりにならないよう、白湯や温かいお茶を意識するだけで、お腹の冷えが和らぐ感覚があります。
体を冷やしにくい飲み物を選ぶ
- 控えめにしたい:コーヒー、緑茶、アルコール
- 意識して選ぶ:白湯、生姜茶、シナモンティー
「温かければ何でもいい」わけではない、という視点は、意外と見落としがちでした。
軽い運動と腹式呼吸
激しい運動ではなく、少し歩く、階段を使う、それだけでも十分。
加えて、腹式呼吸を意識すると、お腹がじんわり温まり、気持ちも落ち着きます。
まとめ|「年齢のせい」と片づけすぎないために
更年期の便秘や下痢、胃腸不調は、ホルモンバランス・自律神経・ストレス・冷えなど、さまざまな要因が重なって起こりやすくなります。
必要以上に不安にならず、でも「我慢し続けない」ことも大切。
生活を少し整えるだけで、胃腸も、心も、少しずつ落ち着いてくる。
更年期は、そんな自分との付き合い方を見直す時期なのかもしれません。